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新しいリウマチ薬?オルミエント錠について調べてみた
2017年5月30日に薬食審・医薬品第二部会にて審議が行われた新薬のうち興味を持ったのが
日本イーライリリーが承認申請を行ったオルミエント錠
関節リウマチのお薬ということで、『処方出るかな?』と思い調べてみました。
オルミエント錠2mg、同4mg(Olumiant、成分名:バリシチニブ、日本イーライリリー)
オルミエント錠は2017年2月、既に欧州で承認された関節リウマチの治療薬です。
「DMARDsに効果不十分又は忍容性が低い中等度から高度疾患活動性の成人関節リウマチ」を適応症としているそうです。
1日1回4mgを投与。患者の状態に応じて2mgに減量することができます。
日本での効能効果は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」となっているそうで
いきなりオルミエントを処方するってことは無いようです。
作用機序はJAK(ヤヌスキナーゼ)を阻害
オルミエント錠 はJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害剤に分類されるそうで
JAK 酵素はJAK1、JAK2、JAK3、TYK2の4種類が知られており
オルミエント錠( バリシチニブ )はJAK1、JAK2を阻害するそう。
JAKについては以下のサイトに細かく解説されています。。
- Jak/Stat シグナル経路: IL-6 受容体ファミリー
- JAK-STAT型受容体 – 管理薬剤師.com
- SignalWay Antibody社<特集>
JAK / STAT シグナル伝達関連抗体
※STAT:シグナル伝達兼転写活性化因子
一言で言うと・・・
らしい。
日本では既にJAK阻害薬が発売されている
関節リウマチに用いるJAK阻害薬としては、ファイザーのゼルヤンツ錠(xeljanz、成分名:トファシチニブクエン酸塩)があります。
Xの頭文字から始まるお薬なので調剤したことはないけれど非常に記憶に残っています。
以下、ゼルヤンツの製品情報より
ゼルヤンツは、関節リウマチ治療において世界で初めて開発されたJAK(Janus Kinase:ヤヌスキナーゼ)阻害剤です。
経口投与でありながらも、IL-6をはじめとしたサイトカインの細胞内シグナル伝達を抑制することで
関節リウマチの疾患活動性、関節破壊の進展を抑制し、身体機能を改善すると考えられています。
特定使用成績調査(全例調査)の対象になっています。
骨髄線維症・真性多血症に用いられるジャカビ錠ってのもJAK阻害薬だそうです(リウマチには適応なし)
JAK阻害薬は強力だが副作用も多い
JAK阻害薬は生物学的製剤に匹敵する有効性が認められた経口剤ではあるが、副作用も類似しており、感染症が多い。
処方はリウマチ専門医に制限されており薬価も高額(ゼルヤンツ5mg:2611.5円)
強力だが、安全性情報は不足している。(今日の治療薬より)
海外では、欧州では2017年2月に1日1回4mgを基本用法・用量として承認済。
米国では2016年1月に申請され、FDAから2017年4月、申請内容のままでは承認することができず、
至適用量を決定するために追加の臨床データが求められている。
また、各治療群の安全性の懸念のさらなる検討のために、追加のデータが必要だとされている。
それに対し、米イーライリリーはFDAの見解に同意していないとし、今後の再申請の時期はFDAと協議するとしている。
厚労省の担当官は、用法・用量などの懸念を含めて審査した結果、承認して差し支えないとの判断に至ったと説明している。
(ミクスOnlineより)
海外のパッケージはこんな感じ。
国内のパッケージ&シートはこんな感じ
気になる薬価は?
8月23日に行われた中医協でオルミエント錠の薬価が以下のように決まりました。
2mg錠:2694.60円
4mg錠:5223.00円
通常量が1日4mgなので5223円か・・・高いね〜
正直、大学病院とかリウマチの専門科でしか使わなそうなお薬ですね。
でも、経口薬で生物学的製剤と同じように効果が出るのは凄いかも?
処方が出たという話を聞きません
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『自己免疫疾患』 『免疫不全症候群』『悪性腫瘍』などを引き起こされることがある。