【2020年6月発売予定】アボルブカプセルのジェネリックは錠剤が熱い!?




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【2020年6月発売予定】アボルブカプセルのジェネリックは錠剤が熱い!?

ジェネリック医薬品が大好きなやくちちです。
こんにちは。

今回は2020年6月に発売が予定されているジェネリック医薬品の中から
アボルブカプセルの後発品について注目したいと思います。

デュタステリドの錠剤は4社、カプセルは13社が発売を予定

先発品のアボルブはカプセルの剤形のみですが
後発品には錠剤の発売を予定しているメーカーもあるようです。

デュタステリドカプセル0.5mgAV「屋号」

  • 杏林
  • サワイ
  • 武田テバ(AG
  • トーワ
  • 日医工
  • ニットー
  • 二プロ
  • フソー
  • AFP
  • BMD
  • DSEP
  • JG
  • TC

カプセルの発売を予定しているのは上記の13屋号です。

武田テバがAGを発売するのは気になるところですね。

デュタステリド錠0.5mgAV「屋号」 

  • 明治
  • DSEP
  • NS
  • YD

錠剤の発売を予定しているのは上記の4屋号です。

気になる薬価は?

2020年4月の新薬価でアボルブカプセルは214円/カプセルになります。
10社以上の収載予定のデュタステリドなので、先発品の4割の薬価になります。

214*0.4=85.6円

さらに、アボルブカプセルは新薬創出加算の品目なので、それ以上安くなると思われます。

(違っていたらスミマセン)

やくちち
単純計算で90日処方の3割負担の患者さんの
自己負担額は3500円近く安くなりますね〜
 

気になるのはやっぱり錠剤の存在

そんな中でやっぱり気になるのは先発品にはない剤形錠剤が発売になるところだと思います。

錠剤直径:約7.1mm厚さ:約3.2mm質量:135mg
アボルブカプセルは: 全長:約19.3mm厚さ:約6.6mm質量:599mg

となっており、錠剤の方が小さくて飲みやすいと思われます。

錠剤は飲めるけどカプセルは大きくて飲めないという患者さんは多いけれど
錠剤が苦手でカプセルが飲めるという患者さんはあまりいないと思います。

実際に錠剤と先発品のアボルブカプセルのおおよその大きさを比較したのが以下の画像です。
カプセルの方は楕円で書いてしまったので実際はもう少し円柱状の形となります。

アボルブ大きさ比較

最初にも紹介しましたが、錠剤の発売を予定しているのは以下の4屋号です。

  • 明治(CHO)
  • DSEP(第一三共エスファ)
  • NS(日新製薬)
  • YD(陽進堂)

製剤イメージですが、DSEPはこんな感じだそうです。

ふぁるめど
錠剤は4社から発売予定ですが、どのメーカーがおすすめとかありますか???
やくちち
個人的にはどのメーカーを選んでも良いと思いますが、薬価差益で選ぶならNSかYD安定供給なら明治かDSEPだと思います。
ふぁるめど
それって、どういうことですか???
やくちち
4社から発売が予定されていますが、全て同じ製品なのでどのメーカーを採用しても変わらないということです。
 
いつものように添付文書の生物学的同等性試験を見てみましょう。
 
デュタステリド「明治」
デュタステリド「DSEP」
 
デュタステリド「NS」
デュタステリド「YD」
 
以上のように、n=75、パラメータも全て同じ数字です。
同じ製品と分かったので、あとは薬価差益や安定供給で選ぶ感じですね。

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カプセルよりもデュタステリド錠が優れているポイント

恐らく一包化できるのがデュタステリド錠の優れたポイントだと思います。

先発品のアボルブカプセルの一包化可否についてグラクソ社は以下の通り公表しています。

Q1 アボルブはPTPから取り出して一包化できますか?

A1 光や湿気を避けるため、PTP包装のまま保存するようお願いしています。
アボルブはソフトカプセル製剤です。ソフトカプセルは一般に高温多湿の条件下で軟化しやすいことが知られています。
一包化した際の安定性については検討しておりません。

一方の、デュタステリド錠にはバラ包装(300錠)が発売予定です(添付文書より)
コーティングの改良で湿気に対して強くなっているのだと思います。

全自動の分包機を導入し、施設などで複数の患者さんに調剤している薬局には錠剤が最適ではないでしょうか?

デュタステリド錠を調剤する上での注意点

デュタステリド錠についてtweetしたところ

錠剤にすると施設や家族が注意を無視して粉砕するケースが起きる可能性がある

というリプライをいただきました。

やくちち
薬局の注意を無視して粉砕しないで〜〜

確かに、その可能性は否定できないですが、飲みやすさ・一包化できるメリットが大きいと判断して
錠剤の採用を優先的に検討したいと思います。

あと、アボルブカプセルは箱が大きいので箱が小さい後発メーカーがあると現場の薬剤師は喜びます(多分)

皆さんの薬局では、どのメーカーを採用する予定でしょうか?

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7 件のコメント

  • アボルブは経皮吸収するため、女性、子供はカプセルから漏れ出た薬に触れないように注意書きがありますが、ジェネリックの錠剤は分包する際に女性が触れても大丈夫なのですか?

    • 直接メーカーに確認したわけではないのですが、コーティングによって問題ないという話はTwitterで見かけました。

  • アボルブの錠剤の後発品は、1か所のデータを共有しています。
    【 DSEP・NS・陽進堂・明治・日本薬品工業 】
    薬剤師として、IRB ( 治験審査委員会 ) の審査員をして、15年位に成りますが、アボルブの錠剤の後発品のデータは、天文学的→極悪なデータです。この薬剤で、後発品が以前の→パチモン:バッタ:ゾロ品
    等に成りかねません。  
    薬剤師として、絶対に採用してはだめです。

    • データの共有は製造元が1社かと考えていました。
      この4社(1製品?)においてデータの質として問題のある部分はどの点でしょうか?
      勉強のために教えて下さい。薬価収載に審査報告書もPMDAにアップされていないもので、どこを探したらいいのか苦労していました。

      • 後発医薬品を選ぶ時は、クロスオーバーの薬物動態の略号を良く把握して下さい。そして色々な医薬品のデータを見比べて下さい。そうすれば答えが分かるはずです。又、CROに尋ねたら同じ答えが帰って来るはずです。

      • デュタステリド錠に関しては、安定供給の不安かと思います。

        データの質は問題ないかと……

        • 後発医薬品を選ぶ時は、クロスオーバーの薬物動態の略号を良く把握して下さい。そして色々な医薬品のデータを見比べて下さい。そうすれば答えが分かるはずです。又、CRO&CRCに尋ねたら同じ答えが帰って来ます。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    薬局に勤める平凡な薬剤師です。 大学を卒業してから14年間、町の調剤薬局で日々患者さんと触れ合ってきました。 コミュニケーションがうまく取れず怒られることも多かったですが、 最近では「感じがいいからこっちに来た」という有り難いお言葉を頂くまでに成長。 日々、地域の方の健康のお助けをしています。 そして4歳と2歳の父でもあります。