骨粗鬆症治療剤「リクラスト点滴静注液5mg」
今日は「リクラスト点滴静注液5mg」の勉強会でした
予定では、勉強会で説明のあった内容をまとめようと思ったのですが
勉強会直前で薬局のレセコンのプリンタの調子が悪くなり対応していたために途中からの参加(涙)
・・・なので勉強会で配布された資料をもとに簡単にまとめてみました。
Contents
リクラスト点滴静注液はこんなお薬
「リクラスト」は、ノバルティス ファーマが創製したビスホスホネート製剤(骨粗鬆症治療薬)です。
製造・販売は旭化成ファーマが行っています。
インタビューフォームによるとリクラストという名前は
Re–(後退する、離れるを意味する接頭辞)と破骨細胞(Osteoclast)に由来するそうです。
後ほど触れますが、1年に1回の投与でいいというのがこのお薬のポイントです。
作用部位と作用機序
(メーカーウェブサイトより)
(メーカーウェブサイトより)
こんな特徴があります
- 年1回点滴静脈内投与のビスホスホネート製剤
- 点滴のため有効成分を100%体内に届けることができる(バイオアベイラビリティ100%)
- 世界115カ国以上で承認されている(2016年6月時点)
- 骨粗鬆症患者の骨折発生率を低下させる
第3相臨床試験(AK156-3-1試験)においてプラセボに対して
新規椎体骨折発生率を65%、非椎体骨折発生率を45%抑制した。 - 腰椎及び大腿部近位部に対して優れた骨密度増加作用を示す
第3相臨床試験(AK156-3-1試験)において投与後24か月の腰椎及び大腿骨近位部の骨密度を
それぞれ8.60%、3.30%増加させた - 豊富な海外エビデンス
HORIZON-PFT:H2301試験、M2309試験、O2306試験、L2310試験等
副作用が気になった
国内第3相臨床試験では333例中197例(59.2%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められたそうで
内容としては発熱、131例(39.3%)、関節痛36例(10.8%)、筋肉痛27例(8.1%)
倦怠感26例(7.8%)等。
こういった副作用の多くは初回の投与時に発生し、3日程度でその症状は消失するそうです。
特にリクラスト初投与の方に副作用が多いらしく、2回目以降の投与だと副作用の割合はぐっと下がるそうです。
またリクラストを初投与の方でも、以前に他のBP剤を使用したことがある人は全くBP剤を使ったことがない方よりも副作用の頻度が少ないそうで、ちょっと興味深い内容でした。
患者さんが受診を忘れないようにする取り組み
また1年に1回の投与なので患者さんが受診を忘れてしまわないようにメーカーも対策をしているそうで
【ほねの1年プログラム】というものを無料で提供しています。
定期的に骨粗鬆症治療に関する情報を届けてくれたり
リクラスト投与後11か月目に『来月受診してリクラストを投与される月ですよ』というお知らせが届くそうです。
また、お薬手帳や病院のカルテに貼るシールや患者さんが持ち歩くためのカードなども作成しているそうです
開業医の思うところ
開業医としては1回点滴したら次は1年後っていうのはやっぱり引っかかる部分だと思います。
薬は1年後で、「あとはリハビリにできるだけ来てね~」と言ったところで来なくなりますよね。
逆に大学病院など外来の予定が3か月に1度とか半年に1度とかの方の方が使いやすそうな印象を受けました。
製品情報等
薬効分類名 | その他の代謝性医薬品 | |||
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成分・含量 | ゾレドロン酸水和物5.33mg(ゾレドロン酸として5.0mg) | |||
添加物 | D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、注射用水 | |||
規制区分 | 劇薬 ・処方箋医薬品 | |||
使用期限 | 36ヵ月 | |||
貯法 | 室温保存 | |||
日本標準商品分類番号 | 873999 | |||
識別コード | なし | |||
薬価収載年月日 | 11/18/2016 | |||
薬価基準収載医薬品コード | 3999423A4027 | |||
レセプト電算コード | 622518601 | |||
個別医薬品コード(YJコード) | 3999423A4027 | |||
承認年月日 | 09/28/2016 | |||
承認番号 | 22800AMX00682000 | |||
販売開始年月日 | 11/25/2016 | |||
薬価 | 39,485 |
薬価は1本39,485円ということで1日あたりだと110円ぐらい。
内服(先発)とほぼ同じぐらいですね。