厚生労働省が先日発表した第1回NDBオープンデータ、このデータを見てみると結構面白いんです。
平成26年度のデータですが薬価収載の基準単位に基づき、薬効別に処方数の上位30位が載っています。
薬価と出庫量が載っているので、エクセルで出庫金額と累積金額、累積割合を出しましたが以下の通りです(今回は外来・院外・内服薬のみでみています)
非力なエクセル・日本語能力なので見づらいかと思いますがご勘弁を。
NDBデータベース(内服)に載っている約2100品目の医薬品のうち金額上位30位が以下の品目です。
文字が小さくて見づらいという方は pdfでコチラ(金額順の全部)
プログラフ錠、バラクルード錠、グリベック錠等の高薬価品目を除くと、
幅広い医療機関から処方され、どの薬局にもあって薬価が高めの先発品が上位を占めていますね。しかも、プラビックスが頭一つ飛び出ています。
(1位プラビックス75mg833億円、2位クレストール2.5mgが503億円)
この30品目、小さい薬局なら月末は在庫を絞りたいよね~って思う品目だと思います。
むしろ、上位30位の品目全部採用してないという薬局があったらビックリしますね。
うちの薬局にはグリベック錠とネシーナ錠以外は全部採用になっていますね。
現在はプラビックの後発が発売されたり、薬価改正で薬価も変わっているので、このランキングからは若干変わっていると思いますが、上位の顔ぶれは大よそこのままでしょう。
平成26年度の内服薬の全薬剤料は厚生労働省によると約4.3兆円だそうで、
その中のわずか30品目で0.9兆円(全体の約21%)の金額になっているんです。
今回のオープンデータに載っている2100品目の合計金額は3.3兆円です。
薬価改正の時はこのようなリストを出して、薬価の引き下げ率の参考資料にしているのだと思います。
結局は合計使用金額の高い品目の薬価を引き下げたり、後発品に変えるしか薬剤料で医療費を大きく下げるのは難しいと思います。
Twitterにも書きましたが、マイナーな1錠7円の先発品を6円の後発品に変更しても大きな医療費削減は狙えません。もちろん、塵も積もれば山となるというのは分かりますが、もっと効率を重視して医療費削減を削減しないと皆保険が維持できなくなるのではないでしょうか?
後発率が高止まりをしたら、今度は後発に変えたときの差額(医療費削減額)で評価される時代が来るのかな?と思っています。
みんな大好きロキソニン錠(先発)は薬価が17.5円と安いので金額順にすると97位になっていました。それでも4.8億錠処方されているようです。
私の勤務している薬局でも、出庫のデータをレセコンで出力して金額順に並べ替え、
上位品目を中心に卸に値引きの交渉をしたり、在庫金額を月末に減らせるように心がけています。(どこの薬局も同じようなことやってますよね)
ちなみに数量(エンシュア等の栄養剤を除く)で並べると
トップ3は
メトグルコ250mg(11.4億錠)
メチコバール500μg(10.7億錠)
マグミット330mg(9.5億錠)
となっています。
メトグルコは安いから、メトグルコを使って他の糖尿病治療薬を減量するっていうので医療費削減に貢献しているような気がします。
メチコバールは漫然投与・・・って言われそうですよね。
マグミットは老人の施設とかで山のように使われていそうなイメージがあります。
高Mg血症の副作用が問題になってから処方量はどうなったんでしょうか???
第2回のNDBオープンデータが出たら、1回と見比べてその変化を分析するのも面白いと思います。