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【薬剤師が味見してみた】ニトロペン(ニトログリセリン)ってどんな味?
今日の味見は日本化薬の『ニトロペン舌下錠0.3mg』です。
ある程度の年数を経験した薬剤師さんであれば1度や2度は調剤したことがあるお薬だと思います。
製品名にある通り舌下での投与ということで、特に初めて処方される患者さんには
舌下錠の使い方だけでなく、1回の発作での上限量や常時携帯すること、副作用など
色々と説明することが多いお薬ですね。
今回、味見に選んだ理由は『薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100』でおなじみの
Fizz-DI(児島 悠史)さんがブログの中で
『開発時には「思いもしなかった使われ方」をしている薬~創薬 Advent Calendar 2017』という記事に
『過去の化学者がニトログリセリンの味見を行なった』ということが書いてあり
やくちちのブログもひっそりと紹介していただいていたので
現代の薬剤師としてやっぱり味見を行わなくちゃいけないだろう!ということで今回は選んでみました。
『なぜ味見をするのか?』という質問には
『そこに薬があるから』と答えたいやくちちです。
ニトロペンの錠剤って見たことがありますか?
皆さん、ニトロペン舌下錠って見たことありますか?
アルミの出しづらそうなシートなのは知っていますが
やくちち、実は今回の味見をするまでニトロペン舌下錠の錠剤そのものを見たことがありませんでした。
実際に取り出してみると刻印のない白い錠剤だったんです。
大きさもメジコン錠やメプチンミニ錠ぐらいの小さい錠剤です。
頓用でしか使われないお薬なので刻印とかないんですかね???
さぁ味見をしてみよう!・という前に・・・
さぁ!味見だ!という前に・・・
ニトロペンは薬が薬なだけに若干緊張します。
しかも、舌下投与のお薬なので口の中で味わっていると
多分、薬効が出てきてしまいそうで・・・
そんなわけで、味見をしたらお茶で飲み込む作戦で今回は挑みました。
味見の前に添付文書によると・・・
性 状:ニトログリセリンは、常温では無色澄明の粘稠性の液
体で、味は甘く灼熱感があり、衝撃により爆発する。
ニトログリセリン(原薬)そのものとは言え、甘みと灼熱感があるらしいですね。
めちゃくちゃ気になります。
実際に味見してみた
ニトロペンを味わってみると・・・
風味は無いし、期待していた甘みも思ったよりも甘くない。
むしろ口の中で溶けて粉っぽい印象しか受けません。
ニトログリセリンの製剤だけあって
『強力な効果はあるけど、砂糖のように甘い』 みたいな
ギャップを期待したのですが〜〜〜
残念。
口の中で溶けきるまでは5〜7秒程度と普通のOD錠よりも早く溶けきります。
下の上で若干味わっていると、灼熱感というか熱っぽい(暖かい)感じは感じました。
若干、ニトログリセリンが舌から吸収されて血管を拡張することで熱く感じるのかなと
考えていますがどうなんでしょうか?
効果が発現しないようにすぐにお茶で飲み込んで味見終了です。
味見後に異変が・・・
通常だとこれで味見は終了なんですが・・・
味見後1〜2分経過した時点で・・・
という感覚が出てきました。
具体的には
- 動悸(ドキドキ)
- 顔〜首回りにかけてのほてり感(お酒を飲んでときみたい?)
- 血流が良くなっている〜〜という感じ
まぁ、ニトロペンの服用する時の注意点そのままの症状が出ていました。
ニトロペンを使用するときの注意点(メーカー指導箋から引用)
- この薬を使用すると、ときに血圧が下がりすぎて立ちくらみや
めまいを起こすことがあります。
使用するときは立ったままでなく、座って使用して下さい。 - 立ちくらみやめまいで気分が悪くなったときは
足を高くして横になるか、座って頭を低くして - 回復するのを待って下さい。一時的に頭痛が起きたり、顔やからだがほてったり
ドキドキしたりすることがありますが、
このような症状はしだいに軽くなります。
ただし、これらの症状がおさまらなかったり
ひどいときは、主治医に相談して下さい。 - 頭痛、めまいなどで、注意力、集中力の低下が起こることがあります。
自動車の運転等の危険をともなう機械の操作はしないで下さい。
今回は、舌下での投与でなかったのでしばらくして回復しましたが
初めてニトロペンを処方される患者さんには改めて服用時の注意点を
説明することの大切さを身をもって実感することができました。
味見としては今ひとつなお薬でしたが、本当に勉強になった味見でした。
今日も最後まで読んでいただきたりがとうございました。
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味見ページのまとめ
味見のまとめページを作ってみたのでよかったら見てね~