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【薬剤師が味見してみた】クラリスロマイシンD.S頂上決戦。味付けの高田VS技術の東和
今回の味見はクラリスロマイシンD.S「トーワ」です。
先発品は言うまでもなくクラリスD.S&クラリシッドD.S。
先発品はストロベリー風味ですが、原薬が苦く、飲み込まずに口の中で味わってしまうと
強烈な苦みを感じ、多くのお子さんを薬嫌いにした抗生剤の1つだと思います。
先日、うちの息子もクラリシッドD.Sを処方され、予定通り飲ませるのに苦労しました。
今まで、先発品、後発品(日医工・サワイ・高田)の味見をしていますが
現時点で一番おいしいのは「粉薬と言えば高田製薬」のクラリスロマイシン「タカタ」です。
「東和薬品のクラリスロマイシンD.Sも美味しい」という情報を得て、今回は味見してみます。
実際に味見してみた
結論から書いてしまうと、クラリスロマイシン「トーワ」は苦みが少なくて非常に飲みやすいんです!
Twitterでも書きましたが、”高田のを返品して東和に採用を切り替えようか?”と悩むレベルの出来です。
口の中に含んで、しばらく味見したものの苦みはほとんど感じず
そのまま処方箋が来たので、調剤~監査~服薬指導をこなして戻ってきてもまだ苦みは無し。
結局、水無しで飲み込んでしまいましたが、苦みは大丈夫でした
(1時間~1時間半ぐらい経過すると若干の苦みあり)
クラリスロマイシン「トーワ」のポイント1~技術力の東和~
そもそも、「何故クラリスロマイシン「トーワ」は苦くないのか?」というところがポイント1つ目で
”2層コーティングで苦みをマスキング”しているそうです。
- 胃溶性高分子コーティング(1層目)
- 胃溶性高分子コーティング+水不溶性高分子の混合物をコーティング(2層目)
このコーティングのおかげで苦みが少なくなっているらしい・・・
技術力の東和と呼べるのではないでしょうか?
クラリスロマイシン「トーワ」のポイント2~さらに技術力を発揮~
苦味マスキング粒子の”粒子径を100μm前後に設定”したそうで
そうすることによって、口腔内への残留と服用した時のザラツキ感を減らすことが出来たそうです。
口の中に残った薬剤が後々になって苦みの原因になったりすることもありますね。所謂後味?
そこまで計算して製剤設計している東和さん、格好いい!
確かに、クラリスロマイシンは後味が悪い。
そして、服用感も非常に大切だと思います、ザラザラした薬ってなんだか飲みづらいような印象を受けます。
散剤の色は先発品はピンクですが、東和薬品の製品は白です。
クラリスロマイシン「トーワ」のポイント3~甘味剤もしっかりと選ぶ~
複数の添加物(甘味剤)を組み合わせることで苦みを出来るだけ感じなくしたそうです。
添加物(添付文書より)
- D-マンニトール
- メタケイ酸アルミン酸Mg
- 酸化Mg
- ヒドロキシプロピルセルロース
- エチルセルロース
- アミノアルキルメタクリレートコポリマーE
- ステアリン酸Mg
- マクロゴール6000
- 結晶セルロース
- カルメロースNa
- サッカリンNa水和物
- アセスルファムカリウム
- タルク
- 香料
- デキストリン
- アラビアガム
まず、感じたのは添加物の多さですね。
そして、他の薬ではあまり見かけることのないアセスルファムカリウムという甘味料
サッカリンNaとの相性がいいのかな?
相当、色々な甘味料を使って・組み合わせて試行錯誤したと思われます。
クラリスロマイシン「トーワ」のポイント4~正面突破のストロベリー味~
地味に先発品と同じストロベリー味。
美味しいと評判の高田のクラリスロマイシンD.Sはバナナ味です。
ストロベリー味は各社出して不味い製品になっていますが、あえて正面突破で東和薬品は
苦みをマスキングした点は素晴らしいと思います。
東和薬品の本気を感じることができたクラリスロマイシンD.S「トーワ」
ただ、味見するだけではわからない2層のコーティングとかメーカーによっては
努力しているんだな~って再発見できました。
味見って楽しい~~!!
販売包装は0.5g×120包とバラ100gの2種類、薬価は51.9円/gなので、分包品で購入すれば
1箱3000円程度になります。
味付けの高田製薬、技術力の東和薬品といったところではないでしょうか?
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味見ページのまとめ
味見のまとめページを作ってみたのでよかったら見てね~