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日本薬剤師会学術大会で気になった発表(イソバイドの味見のやつ)
『まずい・飲みづらい』と評判の薬で有名なイソバイドシロップ
先日行われた第50回 日本薬剤師会学術大会でイソバイドシロップの酸味・苦味に関する
ポスター発表があったので、その発表について今日は考えてみたいと思います。
P-2-159 イソバイドシロップの苦みを緩和する清涼飲料水
ポスター発表の一覧を見た瞬間にビビッときちゃいました。
P-2-159 イソバイドシロップの苦みを緩和する清涼飲料水
(株)ヤマザワ薬品 中央店[宮城県] 橘内 智絵
うんうん、うちのブログでもこれをネタにしようと思っていたんだよね〜
(まだ味見してないけど・・・)
写真撮影・ネットでの掲載もOKをいただいたのですが、今回はポスターの画像はなし
(Twitterには当日UPしたので探してみてください)
今回の発表の素晴らしいところ
やくちちが考えていた味見よりも『優れていた点』『これ面白いな〜』って思った点を紹介します。
10人のスタッフで味の評価を行なったところ
味見って面白いですよね〜
調べてみると発表を行なったヤマザワ薬品さんは
宮城県や山形県でチェーン展開している薬局(ドラッグストア)のようです。
その中で、『イソバイドの味見をしてみよう!』と立ち上がった約10名には拍手を送りたいです。
特に、味が悪いと評判のイソバイドを少しでも飲みやすくする方法の検討というのは
患者さんの立場に立っての素晴らしい発表だと思います。
イソバイドの原液を5点として10点満点で点数をつけているところ
うちのブログの味見は基本的に、『美味しい』『中間』『まずい』の3段階評価をしています。
ブログでも初期の頃は『5点満点で点数をつけようかな?』とも思ったのですが
違う薬の味を点数付けするのって意外と難しいんですよね。
今回の発表のように複数人で評価すれば、ある程度評価のばらつきは抑えられるのかな?と思います。
飲料水の種類が多いところ
今回の発表では以下の清涼飲料水でイソバイドシロップを割っていました。
- アップルジュース
- オレンジジュース
- グレープフルーツジュース
- コーヒー
- 炭酸水(無糖)
- レモン炭酸水(無糖)
- 緑茶
- 紅茶
- CCレモン
- ポカリスエット
- コーラ
- ココア
- 豆乳
これで十分という訳では無いものの、これだけの種類の清涼飲料水で調べているのは
結果を見ていて楽しかったです。
この味見の難しいところの1つは
清涼飲料水をあけたら残ったものも飲まないといけないところです。
私は基本的に一人で味見しているのですが、500mLのペットボトルのジュースで購入すると
5種類なら2.5L飲まないといけないんですよね〜
(捨てるのは勿体無い派)
やくちちが用意した清涼飲料水は5種類(ファンタ、コーラ、炭酸水、スプライト、レモン系)ぐらいですね。
冷蔵庫で冷やしてあります。
複数人でやっていればそれほどでも無いと思いますが
一人で味見をする大変さが私にはあります。
今回の発表の改善できそうなポイント
この部分を詰めればもっと素晴らしい発表になったであろう部分
清涼飲料水の温度が冷えていたり、室温だったりと差があったこと
(温度でイソバイドの飲みやすさが変動すると言われている)
発表をしている方に聞いた話では、清涼飲料水を購入してきてそのまま味見をしていたそうで
品目によっては常温だったり、品目によっては冷えていたりと若干の差があったそうです。
やくちちが考えたプランでは、『原液と原液に氷を加えたものの比較もいいのかな?』と思います。
実際にイソバイドは冷やした方が飲みやすいという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
『条件の均一化の部分』はもうちょっと頑張れたのかな?と思います。
基本的に1:1で混合してから味見をしている点
今回の発表では『1:1でイソバイドと清涼飲料水を混合』していたそうですが
添付文書の用法・用量を見てみると・・・
脳圧降下、眼圧降下、及び利尿を目的とする場合には、通常成人1日量70〜140mLを2〜3回に分けて経口投与する。症状により適宜増量する。
メニエール病の場合には、1日体重当り1.5〜2.0mL/kgを標準用量とし、通常成人1日量90〜120mLを毎食後3回に分けて経口投与する。症状により適宜増減する。
必要によって冷水で2倍程度に希釈して経口投与する。
メニエールでは1日量90〜120mLということで、1:1で清涼飲料水を加えると
1日180〜240mLになります。
ただでさえまずいイソバイドの量が増えるのは結構きついんじゃないかな?と思います。
そこで、イソバイド:清涼飲料水を『1:1』だけでなく、『2:1』とか『4:1』の比率でも比較してみて
少しだけ清涼飲料水を加えることで味に変化をつけて飲みやすくするというアプローチも面白いんじゃないか?と考えます。
味見の順序で評価が変わる可能性がある
実際に味見をしているとよくあることなのですが
複数の品目を立て続けに行うと、無意識のうちに直前に味見した品目との比較になっていることがあるのです。
特に、10種類以上の清涼飲料水で割っているので
原液→アップルジュース→水→原液→オレンジジュースという感じに
毎回、ゼロ点合わせしないと順番で若干数値がぶれるかな?という気がします。
大人数で、順番をランダムに味見をして点数を平均化すればいいのかな?
後発品味見が行われていない
是非とも後発品の『イソソルビド内用液70%「CEO」(セリオファーマ)』も比較してほしいですね〜
後発品の方が『味が良い』と評判なので
その辺りも『どの清涼飲料水との組み合わせが飲みやすいのか?』を知りたいです。
流石に、ここまでやるとポスター発表の用紙に収まりきらない可能性が大ですけどね〜
イソバイド1つでまだまだネタとしては残っています。
ヤマザワ薬品 中央店様、面白い発表ありがとうございました!
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味見のまとめページを作ってみたのでよかったら見てね~