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バラクルードも6月に後発品が登場するよ!
今日はB型肝炎治療薬のバラクルード錠のジェネリックの紹介です。
2017年6月に後発品が初収載、12社が発売を予定しています。
先発のバラクルード錠0.5mgの薬価は1061.8円
12社が参入予定なので、先発品の4割以下の363.10円に決定!
(新薬創出加算の関係)
それでも十分に高額なお薬ですね。
2017年~「透明樹脂PTPシートから両面アルミPTPシートへ変更」になったのも記憶に新しいかと思います。
正直言って、患者さんにも薬局にも不評な包装変更ですね。
発売予定は以下の12社
発売予定の12社は以下の通りです。
ジェネリック大手+先発系ジェネリックメーカーが多いな~っていう印象を受けます。
今回、オーソライズドジェネリック(AG)の発売はありません。
- エンテカビルOD錠0.5mg「サワイ」
(沢井製薬株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「CMX」
(株式会社ケミックス) - エンテカビル錠0.5mg「EE」
(製造販売元/シオノケミカル株式会社・販売元/エルメッドエーザイ株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「JG」
(日本ジェネリック株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「サンド」
(サンド株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「タカタ」
(高田製薬株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「トーワ」
(東和薬品株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「ファイザー」
(ファイザー株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「武田テバ」
(武田テバファーマ株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「DSEP」
(第一三共エスファ株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「KN」
(小林化工株式会社) - エンテカビル錠0.5mg「YD」
(製造販売元/大興製薬株式会社・販売元/株式会社陽進堂)
すでにバラクルード錠を服用している人にどうやってジェネリックをアプローチしようかな?と考えると……
肝炎の治療って公費ですよね(地域によって違う?)
薬価も高いし自己負担があれば「安くなりますよ」っていうのが切り口で説明をするのが一番簡単ですが
一部負担金が0だと、「公費や保険の財源的に優しいですよ」ってアピールする感じになるのかな?
正直、変更するのは普通のジェネリックよりも難しいかな?と考えています。
ハッキリ言って面白くない!
各メーカーのウェブサイトを見てみたけど、まぁ面白くないですね。
誰とは言わないけどタコみたいなあの人も「おもろない・熱意が伝わってこない」って言ってくれそう。
やくちちの部屋にもある「松岡修造さんの日めくりカレンダー:ほめくり、修造!」から10日目を紹介
メーカーさんにはこれくらい熱い情熱を持ってジェネリックをPR・発売してほしい。
どこの先発メーカーと同じようなシートで錠剤は三角、包装は70錠包装。
もちろん、先発品を意識してデザインをしていくのは分かるのですが
「うちの会社のウリはここです!他社には負けないNo.1です!」ってのが伝わってこないメーカーが多いです。
付加価値を感じられないジェネリックメーカーは本当に残念・・・
そもそも、半分ぐらいのメーカーはMRさんの訪問も一切ないので
ウェブサイトをみて新規収載の品目を調べるくらいだから熱意も感じないですよね。
例えば、ピッチコントロール※とかは今回の12社のシートを見る限り全て採用しているから
「うちの特徴はピッチコントロールですよ!」とか言わなくて良いと思う。
最近の後発品ではデフォルトでピッチコントロールは採用になってる気がします。メーカーさんの努力に感謝。
※ピッチコントロール(間隔調整)
PTPシートにピッチコントロールを行うことにより、
「製品名」「1錠中の含量」を1錠毎に表示し識別しやすくする技術。
↓こんな感じ
(大原薬品ウェブサイトより)
特徴のある3社はこれだ!
どのメーカーも同じような商品を発売するようですが
その中でもキラリと光る特徴があったのは以下の3社
- 沢井製薬
- 高田製薬
- 東和薬品
特徴のある3社はこれだ!(沢井製薬)
何と言っても沢井製薬は12社のうち唯一のOD錠となっています。
バラクルードの投与上の注意点として用法の
「本剤は,空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に経口投与する。」
食事の前後2時間を避けるってことなので、基本的に他剤と服用時点が重なることもなく
水無しで服用出来るOD錠の力が発揮されるケースだと思います。
味見本は頂いていないので不明ですが風味無しの甘い味だそうです。
沢井製薬の実績からしても後味の良い製剤となっているのではないか?と予想しています。
特徴のある3社はこれだ!(高田製薬)
小児の粉薬のイメージの強い高田製薬の特徴は何と言っても最小包装
70錠包装が多い中、高田製薬は28錠包装を用意してくれているんです。
大学病院や総合病院、肝臓の専門医の門前でなければバラクルードが処方されている患者さんの数はごく少数。
いても1~数例だと思います。
その中でお薬の処方が止まった時のデッドストックになる数は極力減らしたいと思うのが
在庫の管理者(管理薬剤師さん)なり、薬局開設者だと思います。
特に、後発品ですら薬価が300円を超える薬価なので、特に気になりますよね?
高田製薬の28錠包装だと、最大に残ったとしても27錠、薬価で1万円ちょっと。
金額としては小さくないけど、小さい包装を作ってくれるのは処方頻度の少ない薬局には非常にありがたいです。
出来ればモンテルカストチュアブル錠5mgに28錠包装を作ってくれれば
味も良いので文句なしで採用していたのにな~って思いもあります・・・
特徴のある3社はこれだ!(東和薬品)
東和薬品の特徴は高田製薬と同じでやっぱり包装
こちらは56錠と60錠包装ってことで、やはり他社よりも小さい包装からのスタートです。
バラクルードって実際に何日分での処方が多いんでしょう?
勤務する薬局でも1名だけ処方が出ているのですが、日数は90日分。
安定していれば2~3ヶ月分っていうのが多いのではないでしょうか?
東和は56日分、60日分に特化した包装だと思います。
ただ、先程の高田製薬の28錠包装を採用すれば東和薬品の包装は概ねカバー出来てしまうので
ちょっとだけ残念かな?
必ず60日分での処方であれば、高田製薬よりも東和薬品の60錠包装で調剤するほうがロスは少なくなります。
30日の倍数(30・60・90日)での処方が多いのであれば、30錠包装を作ったメーカーが売れると思うんだけどなぁ~
実際のバラクルードの処方日数ってどうなんだろう?その辺を事前に全国の処方元や調剤薬局でリサーチして
発売する包装に活かしたらいいのにな・・・って思う。
3社からは漏れたけど、武田テバファーマも面白い
特徴のある3社からは漏れたけど武田テバファーマも面白いです。
武田テバファーマが面白い理由その1
12社の中で唯一錠剤が丸い
バラクルード=三角の錠剤っていうイメージを破壊するような丸い錠剤。
丸くした理由はMRさんも分からないって言っていたけど、逆に印象には残るよね。
武田テバファーマが面白い理由その2
包装がPTP100錠
基本的に先発品を意識した70錠包装が多い中、武田テバファーマは100錠包装です。
1人だけに処方されていて、病院のコンピュータの最大日数の99日分で処方される場合
残る数が1錠となり一番少なくなります。
それ以外のケースでは処方が止まった時点でデッドストックが大量に発生するので要注意。
武田テバファーマが面白い理由その3
シートが小さい
数少ない10錠PTPシートの武田テバファーマですが
唯一やくちちに製剤見本をくれたメーカーでもありました。
製剤見本を取り出してビックリ。シートがかなり小さいです。
手元にあったポララミン錠2mgと比較してもシートの大きさはほぼ同じ。
武田テバファーマは面白いんだけど「実用的な理由か?」って言われると
かなり微妙なので特徴のある3社には選びませんでした。
残る8社の様子
残る8社は全部錠剤は三角、シートは14錠シートで70錠包装
差別化っていうのが十分に出来ていないと言わざるをえないメーカーです。
エンテカビル錠0.5mg「CMX」
ケミックスってどちら様ですか?って感じ(無知ですみません・・・)
ウェブサイトの製剤写真が残念なのでもう少しいい写真を公開すると良いと思う。
レーザー印字なし
ウェブサイトの画像が少し改善したけど
高画質(大きいサイズ)の画像があるといいな~って思う。
エンテカビル錠0.5mg「EE」
エーザイの販売力で頑張れEE(エルメッドエーザイ)
こちらもレーザー印字なし
エンテカビル錠0.5mg「JG」
全国の『日本調剤』では採用になるんじゃないかな?
あとは、卸さんに圧力をかけて納入薬局を増やせるかどうか。
レーザー印字はなし
エンテカビル錠0.5mg「サンド」
丸い錠剤で刻印は通常の刻印ですね。
サンドって滅茶苦茶安い品目があったりするので
価格面で採用する薬局もあるのかな?
エンテカビル錠0.5mg「ファイザー」
先発系のジェネリックメーカーとして頑張っているファイザー
錠剤を2錠ずつ切り離す時に切りやすい切れ込みが入っているのが特徴?
それで採用したくなる!ってほどの特徴ではないですね・・・
通常の刻印のようです。
エンテカビル錠0.5mg「DSEP」
ミカルディス、クレストール、オルメテックはAGということで
この3品目に関しては無双しそうな第一三共エスファ
エンテカビルはAGではなく普通のジェネリックです。
悪くはないけど、特徴もないかな?
両面レーザー印字です。
エンテカビル錠0.5mg「KN」
東邦さんが頑張って売りそうな小林化工さん
東邦さん以外の在庫次第かな?
知名度で言ったら他社とくらべてちょっと劣る印象、
両面レーザー印字
エンテカビル錠0.5mg「YD」
YDの屋号でお馴染みの「陽進堂」
トラネキサム酸500mg「YD」ではお世話になっています。
昔、とある卸さんから「欠品が多いからあそこは陽進堂じゃなくて欠品堂ですよ」って冗談半分に言われていたメーカー
ファイザー同様にレーザー印字かは画像や添付文書からは不明だけど多分違いそう。
言うまでもなくやくちちも神ではない
もちろん、特徴がないと言ってしまった8社の製品にも、やくちちが調べきれていない特徴ってのがあると思います。
ただ、先発メーカーとくらべてMRさんの数とかも限られているのでその特徴が調剤薬局(の採用担当)までなかなか届いていないのは事実です。
一度採用になってしまうと途中で採用変更するのって本当に大変なんです。
自主回収などで流通がなくなったりという理由があれば可能ですが、そうでなければ初動が大事。
是非とも、小さな薬局でも極力訪問して「うちの製品はここが先発品含めて13社の中で一番です!」ってのをアピールして欲しい。
個人的には「30錠包装を作ってくれるメーカーさんがあればなぁ~」というのが感想です。
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