今日は小野薬品のリカルボン錠の勉強会でした。
とはいえ、リカルボンの勉強会自体は何度目だろう?っていうレベルなので
勉強会内で話があった、顎骨壊死に関するポジションペーパーを読んでみました。
調剤室のエアコンが壊れてしまい、室温28.7度、半分ぼーっとしながら過ごしています。
顎骨壊死に関するポジションペーパー(日本口腔外科学会HPより)を掻い摘んで読むと・・・
難治性の顎骨壊死(BP-Related Osteonecrosis of the Jaw, BRONJ)は口腔管理を入念に行う、あるいは歯周組織や根尖の病変を除いておけばBRONJ発生を予防できることがBRONJが報告されてから10年の間の症例の蓄積で分かってきている。
このあたりは基本中の基本といったところですね。
デノスマブ(ヒト型IgG2モノクローナル抗体製剤)はBP剤と同じように破骨細胞による骨吸収を抑制するが、BP剤のように骨に沈着、残留せず、破骨細胞にアポトーシスを誘導しないなどの違いがあるので、ONJは発生しないと予想された。
しかし、デノスマブ治療を受けている患者さんにもBRONJと同様のONJ(DRONJ, denosumab-related ONJ)はほぼ同じ頻度で発生することが分かったそうです。
作用するメカニズムは異なるもの、BP剤・デノスマブのいずれも破骨細胞による骨吸収を治療ターゲットとする点が臨床的に酷似するONJ発生に関与することから、両者を包括したARONJ(Anti-resorptive agents-related ONJ)という名前が使われるようになってきている。
2016年版の一つポイントはBRONJ→ARONJという呼び方に変わったことです、
BP剤だけでなくデノスマブ(ヒト型IgG2モノクローナル抗体製剤)でもBP剤と同程度顎骨壊死が起こるためポジションペーパーでの呼び名もARONJになっています。
BP剤による顎骨壊死について語る場合にはBRONJという呼び名のまま記載されているようですが・・・
骨粗鬆症においてBP剤を休薬することがONJ発生を予防するかは不明。
日本骨粗鬆症学会の調査では、BP剤を予防的に休薬してもONJの発生減少は認められず、
骨粗鬆症の症状悪化、骨密度低下及び骨折の発生が増加するとされています。
発生頻度に基づいた場合、BRONJ発生のリスクよりも骨折予防のベネフィットが勝っている。
ARONJの発生頻度は、
BP剤内服:10万人当たり1.04~69人
BP剤点滴:10万人当たり0~90人
デノスマブ:10万人当たり0~30.2人
感染が引き金となっており、歯科治療前に感染予防を十分に行えばBRONJ発生は減少するとの結果が示されています。
ポイント2は以下の文が明記された点。
これらの理由を背景にEBMの観点に基づいて論理的に判断すると、歯科治療前のBP休薬を積極的に支持する根拠に欠ける。
ただ、4年以上BP剤を続けた場合にはBRONJ発生率が増加するというデータもあるそうで、
現時点での結論は「休薬の可否についての統一見解はない」とも書かれています。
医科と歯科でどうしても折り合いがつかなかったそうです。
実際に薬局薬剤師として気になるのは歯科治療を行う場合にはBP剤を中止するのか?しないのか?って点ですね。
「医師・歯科医師にBP剤を服用していることを必ず伝えてください」っていうのを患者さんに理解してもらい実際に伝えてもらうことですかね?
そして、お弁当おいしかったです。