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ザイティガ錠は何故?突合で査定されたのか?
先日、少しだけ呟いた気がしますが、ザイティガ錠が過剰処方ということで
突合で査定を受け日数が削られました(処方元からの調整)
ザイティガ錠の薬価は3,609.9円と街中の調剤薬局が扱う薬の中では超高薬価なお薬で
しかも、通常4錠分1での処方なので、1日薬価は14,000円を超えます。
ザイティガ錠ってどんな薬?
少し前まで白かった錠剤ですが
2017年に『白色素錠』から『ピンク色のフィルムコーティング錠』に変更になっています。
CYP17 阻害剤に分類されるお薬で、詳しくはヤンセンファーマのウェブサイトをみると
色々と作用機序やら書いてあります。
効能効果
去勢抵抗性前立腺癌
用法用量
プレドニゾロンとの併用において、通常、成人にはアビラテロン酢酸エステルとして
1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する。
薬価が高いので特に経営者や管理薬剤師は、1錠もデッドストックに出来ない…と思うのではないでしょうか?
理由の分からない査定
そんなザイティガ錠、今回の査定で30日分を超える部分(薬剤料、薬局の技術料など)がガッツリ切られていました。
日数が少なかったのですが、薬価が高いので10万円近い金額に……(汗)
投与日数制限のある新薬でもないし、投与開始半年は2週間の処方を守っていた
長期できない理由が添付文書からは分からない。
併用出来ない治療薬、検査や病名・処方が漏れていれば全部カットされるはずだし
日数の一部カットってなぜだろう???
いくら考えても理由が分からないので、販売しているヤンセンファーマに電話してみました。
電話で対応していただいたオペレータの方から
大凡の回答(長期処方が不可能なお薬ではない旨など)はあり
半分は納得、残り半分はMRさんから説明を受けることに…
後日担当MRさんが来てくれました。
MRさんによると
『地域やレセプトを見る先生にもよるけど30日を超えると(超えた部分が)査定されることがある』とのこと。
『薬価が高いのが影響している』みたいですが、『年末年始』や『長期休暇』等理由があって長期にする場合は
『コメントを入れてレセプト請求する』しかないそうで
それでも、絶対に通るとは言い切れないみたい。
学会等でも30日までの投与にするように案内しているそうです。
過去にはものすごい査定が…
カソデックスやオダインのような前立腺がんの内服薬の処方って3ヶ月で出ることが多くありませんか?
そんな感じでザイティガ錠を90日分で処方したら30日を超える部分が査定されケースもあるそうです。
(90-30日)×3609.9(円)×4(錠)=約86万円
うぉぉぉ……
これ、一人の患者さんだけじゃないだろうし、この病院では大事件だったんだろうな。
いつも思うのですが、こういうのはどうやって処理してるんだろう?
病院の収入からしたら些細なものなのかな?
ザイティガとザルティアの取り違え
今回の訪問にあわせて、『ザイティガとザルティアの取り違え』についての情報提供を受けました。
実際に間違えて患者さんが服用した事例もあるようなので
スタッフに周知しないといけないですね。
報告された事例の中には、適切な処方監査により薬剤の選択ミスによる患者様への
誤投与が未然に防止された事例も報告されております。抗癌剤等のハイリスク薬や
処方オーダシステムで誤入力しやすい医薬品を処方された患者様に対して、病歴や
薬歴等の確認をお願いいたします。
- 患者様へのインタビューにより、どのような疾患で受診したか確認をお願いい
たします。 - 併用薬、病名などの情報を利用し、前回の処方歴及び薬歴との照合をお願いい
たします。
<特に注意いただきたい点>
ザイティガ ® 錠 250 mg は、前立腺癌に対する抗癌剤です。原則としてプレドニゾロ
ンを併用し、通常1日1回1,000 mg(4錠)服用する用法・用量となります。
【施設内におけるヒヤリ・ハット事例等の周知のお願い】
ザイティガ®錠とザルティア®錠の選択ミス防止の啓発と周知をお願いいたします。
- 新しく配属になった薬剤師の方を対象に、ザイティガ ® 錠とザルティア ® 錠の両
薬剤を間違えやすい医薬品として認知する機会(研修等)を設けていただくようご
検討をお願いいたします。 - ザイティガ ® 錠とザルティア ® 錠の両薬剤の販売名・薬効分類名を記載した表(本
資料裏面参照)を薬局内に掲示していただくなどご活用ください。
うちの薬局はザイティガもザルティア(5mg)も両方とも採用があるので特に気をつけねば・・・
- ザイティガは基本的に4錠分1で空腹時に服用する。
- ブレドニゾロン(その他のステロイドのことも…)が併用される。
- ただし、どちらも泌尿器科で処方されることが多い
など、ザルティアでは使われない使い方をするので、患者さんからのヒアリングだけでなく
処方内容からも間違いに気がつくチャンスはあると思います。
数年後の国試にも出そうな予感!
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