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夏前は痛風発作が多いって本当?(ウリアデック錠の勉強会)
尿酸を下げるお薬でウリアデック錠(一般名:トピロキソスタット)というお薬の勉強会でした。
同じ成分ですが三和化学がウリアデック錠を、富士薬品がトピロリック錠を販売している併売品です。
『非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬』と呼ばれていて
尿酸が生成されるのを抑えることで尿酸値を下げるお薬です。
痛風発作は夏前に多い?
尿酸といえば痛風の原因ですが、夏前ぐらいから痛風の発作が増えるんです。
暑くなってきて汗をかくことで体内の水分量が変動し、尿酸値が1日の中でも上下する
(日内変動)ようになるのです。
尿酸値の急激な上下は痛風発作を誘発することがあります。
なので、お薬を飲むときも急激に尿酸値が下がらないように
飲み始めは少ない量で、少しずつ増量していくという方法が取られます。
このウリアデック錠は通常1日2回飲むお薬で
1日1回で飲むお薬よりも1日の体内の尿酸値の上下が少ないと言われていて
痛風発作を起こしにくいそうなんです。(メーカーさん曰く)
ただ、1日2回だと飲み忘れの心配があるのが難しいところ。
痛風といえば親指の付け根!
痛風は親指の付け根が死ぬほど痛い!といって受診しますね。
一般的に発作の痛みは24時間がピークで、その後3~7日で痛みが引いて歩けるようになります。
発作の痛みは大柄の顔の怖そうな人ですら、足を引きずって受診するほどです。
何故そんなに痛風が痛いのか?というと、普通は尿酸は血液中に溶け込んでいます。
しかし、量が増えると溶けきれなくなった過剰な尿酸が結晶になって関節に溜まります。
一般的には足の親指の付け根が痛いというイメージですが、膝関節に発作が出る方も稀にいます。
そして、結晶になった尿酸の一部が関節液中にはがれ落ちると、それを敵とみなして
白血球が集まり、攻撃を始めます。この攻撃で炎症を起こす物質が出るのが痛風発作なのです。
お薬&食生活の改善を!
痛風発作を起こさないためにもお薬を服用するだけでなく、食生活の改善が大切なのですが
発作が落ち着いてしまえばまた普段通りの生活ができてしまうので
ついついお薬も忘れがちになり忘れたころにまた発作を起こしてしまうのです。
痛みが辛くて整形を受診して『痛風発作でしょう』って言われてロキソニンとムコスタを処方され
その後痛みが落ち着いてきて尿酸値を下げる薬を飲み始めるものの
1~2か月でフェードアウトする患者さんは非常に多いです。
魚卵・ビールなどはプリン体が多いとされていますが
実際には美味しい物にはプリン体が多いって思うといいぐらい
お肉やお魚だけでなく野菜にもプリン体が含まれています。野菜のプリン体は少ないですが……
薬局によっては患者さん向けのプリン体の一覧表を置いてある薬局があります。
気になる方は薬局の薬剤師さんに相談してみては如何でしょうか?
尿酸値を下げるだけじゃない
しかもメーカーさんの話によると、このウリアデック錠は腎臓にも優しいらしく、
服用することで腎臓の機能をみる数値が改善したそうなのです。
まさに1粒で2度おいしい。
しかし何故腎臓の機能が回復するのかは不明だそうです(汗)
「分からないですがぜひ使ってください」と言っていました。
ウリアデック・トピロリックが処方されたら腎機能にも良いからという理由で処方されているかもしれません。