ノーベル賞の発表が近づいていますね。「今年も日本人が受賞できるのかな?」とついつい期待しちゃいますよね。
そんなノーベル賞と話題のお薬の話が日経新聞に記事があったので簡単に紹介します。
今年の候補者にも薬や新しい治療法の開発などに関連した研究者が候補にあがっているようです。
一人目が生理学・医学賞の候補とされる本庶佑(ほんじょ たすく)京都大学名誉教授です。
本庶名誉教授は「PD-1(programmedcell death-1)」というものを発見したそうです。
このPD-1は免疫細胞表面にあり、免疫の働きを調整する物質です。
高価な薬ということで話題の、オプジーボ(抗PD-1抗体)が結合するのも、このPD-1だそうです。
PD-1を介してがん細胞からT細胞に対して攻撃を抑える信号が送られると、免疫が正常に働かなくなってしまうのです(不応答状態)。
オプジーボ等の免疫チェックポイント阻害薬はがん細胞により不応答となっていた抗原特異的T細胞を回復・活性化させ、抗腫瘍効果を示します。
ただし、課題は何といっても抗PD-1抗体薬が高額なことで
財政制度等審議会の会合では「オプジーボを1年間で5万人が使うと薬代だけで1兆7500億円にのぼる」と試算が出たほどです。
そこで登場するのが二人目の生理学・医学賞の候補とされる坂口志文(さかぐち しもん)大阪大学特別教授です。
この坂口教授は「制御性T細胞」というものを発見したそうで、この制御性T細胞によって免疫が過剰に働いて自分自身の細胞を傷つけないように
ブレーキの役割を果たしているのです。
その働きを制御することで、T細胞の働きを高めようとする研究が進んでいます。
ノーベル賞の候補ではないようですが、慶応大学の河上教授らは、抗PD-1抗体とコレステロール治療薬のスタチンを併用することで、
制御性T細胞の働きを抑えることが分かってきています。
コレステロールの薬が抗がん剤の効き目をよくするとか不思議ですよね?
スタチンなどの薬やウイルスの一部を抗がん剤と一緒に投与することで抗PD-1抗体の効き目が良くなって使用量を減らしたり、
抗PD-1抗体が効かないケースで併用によって効果があったりと、効果&医療費削減の観点からも今後の研究に期待してしまいますね。
詳しく知りたい方は以下の記事を読むと参考になるかも?