Contents
モーラスパップXR240mgは何故売れないのか?実際に使ってみて感じた事。
2017年2月に発売したモーラスパップXR240mg
発売当初から売れ行きは事前の予想ほどのびずメーカーMRさんも苦戦しているようです。
今回、製剤見本を貼る機会があったので、使う人目線で売れない理由を考えてみようと思います。
メーカーがプッシュするポイント
販売している久光製薬がプッシュしていたポイントは主にこの2つ
1.腰など広い範囲をカバーできる大きさでテープ剤に近い粘着力がある!
確かに、腰や大腿部などは大きい湿布1枚をべたっと貼ればOKってのは楽なのかもしれない・・・。
大きいサイズの湿布と言えば、セルタッチパップ140mgとかモーラスパップ60mgかな?
いわゆる昔ながらのパップ剤なので粘着力は弱い。テープタイプで大きいサイズってないんですよね~
その、需要がありそうな点をねらって開発したお薬みたいです。
2.大きいサイズなので半分に切って使うと倍の量使える
2016年4月から湿布の処方枚数が1回の処方につき原則70枚までとなりました。
大病院などは2~3ヶ月の内服の処方ということも多く、70枚の処方では足りなくなってしまいます。
そこで、メーカーとしては大きいサイズだから切って使えばたくさん使えるよ!ってことでアピールしていました。
実際に貼ってみた
腰が痛かったので朝7時頃にモーラスパップXR240mgを貼りました。
朝9時から業務をして、夜9時過ぎに帰宅。貼ってから約14時間経過・・・。
その時点での湿布の様子がこちら!
(お尻が汚くてごめんね・・・)
うん・・・めっちゃ剥がれてる!
3割ぐらい剥がれています。
通常のパップと比べると剥がれにくいのかもしれないけれど
テープ剤のような張りつきを期待すると正直、残念な気持ちになります。
仕事中はよく動き回っているから洋服や下着とこすれるし
昨日はちょっと暑くて汗もかいていたから湿布にとっては過酷な環境ではあるけれど、やはり残念。
剥がれやすいってことで、使い終わった湿布を剥がす時は楽です。
患者さんに説明する上で、「テープ剤のように粘着力がいいですよ!」って
言うのをためらうレベルの剥がれっぷりです。
事実を言うのであれば
- パップという名前がついているけれど、厚みはテープ剤に近い
- メーカーさん曰く「張り付きがよく剥がれにくい」って宣伝しているけれど
実際に使うと洋服との摩擦や汗などで剥がれることもある
って感じかな?
どうしても売れないので卸MSさんの直接評価品目に!
東京だけかもしれませんが、モーラスパップXRがメディセオMSさんの評価に直結する品目になったそうです。
月末に数字を追われて「買ってください!預かってください!」っていう品目のさらに上位の扱いのようで
「評価に直結するような品目は両手で数えられるくらいしかないんです・・・」とMSさんは言っていました。
メディセオさんで言えばノベルジンとかも対象のはず。
更に久光製薬のMRさんが攻略できなかったクリニックに対してメディセオMSさんが営業をかけるそうで、かなり本気モードで販売していくようです。
調剤すると後発率が下がる?
調剤薬局として地味に気になるのが後発率
以前、モーラスパップXRの記事を書いたときに教えていただいたのですが
モーラスパップXRは「後発品のある先発品」っていう扱いになっているようです。
その理由としてモーラステープの剤形追加として承認を得ているからだそうで
モーラスパップXRで処方が来たら他のお薬では調剤できないのに
後発率が下がるという薬局泣かせな湿布でもあります。
現状は処方量が少ないからそれほど影響がないのですが
今度処方が増えたら困るな~っていうのがやくちちの思うところです。
2018年度以降に申請予定のパーキンソンの薬までのつなぎなのかな?
(久光製薬の経営計画より)
スポンサードリンク