今日はディナゲストの後発品(ジエノゲスト)の紹介です
6月に薬価収載のディナゲストの後発品(ジエノゲスト)
後発メーカーはモンテルカストチュアブル(キプレス・シングレア)やテルミサルタン(ミカルディス)について
プロモーションはするけど、なかなかディナゲストの後発が発売される話を聞かないので紹介します。
Contents
先発品はディナゲスト錠1mg・OD錠1mg
先発品は持田製薬株式会社のディナゲスト錠1mg・OD錠1mgでどちらも薬価は475.5円。
通常1日2錠服用するので1日薬価951円!
長期での処方も多く患者さんからも「高いのよね~」とか「ジェネリックはないの?」って話をよく耳にするのではないでしょうか?
1日2回服用、60日分で18000円(3割負担)近くになります。
確かに高い!
そんなディナゲストの後発が6月16日(金)に発売されます。
薬価は198.1円です。
発売が予定されているのは以下のメーカー
OD錠は2屋号
- ジエノゲストOD錠1mg「KN」
- ジエノゲストOD錠1mg「モチダ」
普通錠は多くて10屋号が発売予定です。
- ジエノゲスト錠1mg「JG」
- ジエノゲスト錠1mg「KN」
- ジエノゲスト錠1mg「MYL」
- ジエノゲスト錠1mg「SUN」
- ジエノゲスト錠1mg「キッセイ」
- ジエノゲスト錠1mg「モチダ」
- ジエノゲスト錠1mg「サワイ」
- ジエノゲスト錠1mg「トーワ」
- ジエノゲスト錠1mg「ニプロ」
- ジエノゲスト錠1mg「F」
持田製薬販売株式会社が「モチダ」の屋号で販売し、これがオーソライズドジェネリック(AG)となります。
また、KNは小林化工単独だけでなく、製造販売元:小林化工・発売元:あすか・販売:武田薬品があったり
1つの屋号で複数の発売元があるようです。
皆さんはどのメーカーにしますか?
皆さんがジェネリックの採用担当だとしたらどのメーカーにしますか?
複数あるメーカーの中から理由をつけて1社を選ぶってとっても難しいことです。
- 安定供給?
- メーカーの知名度や規模?
- 薬価差益?
- 他店舗・近隣薬局の状況?
- 本社の指示?
- MRさんの人柄?
- MSさん(卸)の推奨?
こんな感じで検討する理由は色々とあると思いますが
採用担当じゃない人ほど頭の体操だと思って考えてほしい。
やくちちの頭の中はこんな感じ
順当に考えるとオーソライズドジェネリック(AG)の「モチダ」(持田製薬販売)が本命
対抗はジェネリックの実績、安定供給の面から「サワイ」になるんじゃないかな?
薬価差益をとるのであれば「ニプロ」とかは安定供給と差益のバランスがよさそうな気がする。
東和も悪くないんだけど、卸の縛りがあるのはなぁ~~
個人薬局であれば「JG」は採用しない薬局が多そうな気がします。
とりあえずビールのようにとりあえずAGを選ぶやくちちの脳みそはスッカスカ~
そこをあえてキッセイという選択肢
「キッセイってジェネリック作っているの!?」って思ったあなたは正解です。
私も最初にMRさんにジェネリックのPRをされたときに
「ん???ジェネリック?この前ピートルの情報提供してなかった?」って思いました。
キッセイ薬品って聞いてジェネリックってイメージないですよね・・・
キッセイといえば「ユリーフ」「ベザトール」「グルファスト」「グルベス」「ピートルチュアブル」あたりが思いつきませんか?いわゆる先発メーカーです。
メーカーウェブサイトによると「シルデナフィル錠」「ラタノプロスト点眼液」「レボフロキサシン点眼」等も作っていました(調べて初めて知った)
ディナゲストが処方されている人の処方箋をよ~~く思い出してほしい
添付文書の用法・用量は以下の通り
通常、成人にはジエノゲストとして1日2mgを2回に分け
月経周期2~5日目より経口投与する。
そこで、ディナゲストが処方されている人の処方箋をよ~~く思い出してほしい。
- ディナゲスト錠1mg 2錠 分2朝夕食後 30日分
- ディナゲスト錠1mg 2錠 分2朝夕食後 60日分
- ディナゲスト錠1mg 2錠 分2朝夕食後 90日分
- ディナゲスト錠1mg 2錠 分2朝夕食後 120日分
多分、こんな感じじゃないかな?
今度は1度に処方される錠数を計算してみましょう。
- 60錠
- 120錠
- 180錠
- 240錠
そう、60の倍数ですね。
キッセイのジエノゲスト錠は60錠包装なんです。
1箱=1か月分(30日分)で調剤できるので処方が止まった時のリスクを減らせるんです。
婦人科や総合病院の門前で何人にも処方される予定がある薬局なら不動品になるリスクは少ないと思いますが
1人しか処方されてなくって、処方中止の可能性が常にある薬局は不動品リスクを極力へらしたいところ
先発品のディナゲスト錠の薬価は1錠あたり475.5円
10社を超える発売なのでジェネリックが先発品の4割の薬価になったとして190.2円
高い薬価のお薬ははやりデッドストックにしたくない!
そんな小規模薬局の声にこたえてくれたのがキッセイ薬品なんです。
60錠包装を発売予定なのはキッセイ薬品を含めて2社
ちなみに、60錠包装を発売するのはキッセイ薬品と東和薬品の2社のみです。
東和を推しても良かったのですが、ジェネリックの知名度が高くないキッセイ薬品をあえて注目してみました。
ただ、ジェネリックを販売するメーカーもこれから集約されていくと予想される中
キッセイのジェネリックはこれから継続的に販売するのか?ってのが少し不安です。
ある日突然、ジェネリックからの撤退・他社への販売移管ってのがありそう・・・( ̄▽ ̄;)
採用にあたっての注意点
先発品と後発品で適応症の相違があるので注意しましょう。
先発品は2つの適応症があります。
- 子宮内膜症
- 子宮腺筋症に伴う疼痛の改善
後発品には「子宮腺筋症に伴う疼痛の改善」の適応はないので要注意ですね~
それでも薬価が高いのでジェネリック医薬品の発売を待っていた患者さんは多いと思います。
是非、普段ディナゲストを服用していてジェネリックを希望する方は、事前に調剤薬局に相談してみよう!
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