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高額冷所品の返品を引き受けてくれたらその卸と取引増やしますか?
そんな条件なら多くの病院関係者なら本気で検討するかもしれません。
そんな記事が2016年11月4日の日経新聞に掲載されています。
高額医薬品流通IT管理 スズケン AT&Aからシステム
スズケンがITを活用して高額医薬品の廃棄ロス削減に乗り出すそうです。
米国AT&Tなどのシステムを導入し輸送・保管状況や在庫の一元管理可能にします。
スズケンでの医薬品の廃棄ロスは高額医薬品を中心に年間500億円に上るそうで
2016年3月決算での売上高は2兆2283億、当期利益289億ということで
高額なシステムを入れたとしても500億円の廃棄医薬品が1割でも2割でも減れば大きく利益が増えることになります。
スズケンの狙いは高額医薬品のシェア増大
オプジーボやバイオ医薬品の多くは冷所保管が必須です。
冷所品は基本的に返品できないのです。
患者さんにすぐに使用するために病院として在庫をしておかないといけないけど、
体調変化などで使用しなくなったらそのまま在庫になってしまいます。
特に高額品は不動在庫になってしまったら大変です。
病院の薬剤部も頭を悩ませる大きな部分だと思います。
医薬品1つ1つに無線ICタグをつけて管理する
スズケンが米国の医薬品卸大手アメリソースバーゲンが欧米で導入している流通システムを導入すると、
納入先の病院に専用冷蔵庫をリースし、医薬品1つ1つに無線ICタグをつけて
タグと連動させて温度や使用期限、在庫状況を把握するそうです。
このシステム導入で高額医薬品の品質が担保されれば、返品や他病院への再販が可能になります。
スズケンという会社自体は個人的に好きではないですが、やろうとしていることは素晴らしいですね。
冷所の高額医薬品だとあまり薬局には縁がないですが、病院によっては多少コストがかかっても、
高額医薬品の返品・再販を受け入れてくれる卸は歓迎されるのではないでしょうか?
そうすれば、スズケンの廃棄ロスを減らすだけでなく、卸としての付加価値も上昇し病院における販売シェアも増えそうな気がします。
あとは、冷蔵庫のリース代金がどれぐらいになるか?によってどこまで広まるかが決まってきそうな気がします。
スズケンのMSさんが来たので早速聞いてみたら、興味のある医療機関の問い合わせ専用の連絡先があるらしい。
興味のある方はスズケンの担当MSまで。
日経新聞11月4日より