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今日の治療薬・治療薬ハンドブック・治療薬マニュアル 2018年版の医薬品集を比較してみた
だいぶ遅くなってしまいましたが医薬品集の比較を行いたいと思います。


基本情報
出版社や価格、ページ数などをまとめたものが以下の表になります。
何と言っても『治療薬マニュアルの存在感』は他の2冊を圧倒するものがあります。
自宅のキッチンにあったスケールを使って重さを量ろうとしたものの
治療薬マニュアルは上限の1kgを超えてしまい、スケールでは量れませんでした。
(子供用の体重計でようやく計測)



勝手なイメージ
比較する前にやくちちの3冊の医薬品集に対するイメージを書きたいと思います。
今日の治療薬
やくちちが新人の頃からほぼ毎年購入している1冊。
Amazonの売り上げランキングではいつも首位にいるイメージです。
初めて勤務した調剤薬局で『今日の治療薬』を使っていたから・・・という理由で同じものを購入していたのですが
他と比べたこともなかったので、よく言えば不満点はなかったし
悪く言えば惰性で購入していた1冊です。
うちの子供達が生まれた病院の診察室にも『今日の治療薬』は備えられていて
『お医者さんも患者さんから飲んでいる薬について聞かれたらこれを使っているんだな〜』と
診察に同行するたびに本棚を見て思っていました。
ただし、その病院では最新の版ではなかったので、買い換えて欲しいなとも思いました。

治療薬ハンドブック
一番のダークホース的1冊
名前は知っているけれど、どんな特徴があるのか???ってのが全くわからなかった1冊です。

採用している薬局も周りになかったし、医薬品集について語り合うような
同僚もいなかったので、本当に今回買うまではわからなかったですね。

治療薬マニュアル
最初の会社の系列店舗で使っていた気がします。
そこの管理薬剤師さんは病院→調剤薬局という薬剤師さんで
時に理不尽なレベルの厳しい人でした。
その後も治療薬マニュアルを持っている人はどういうわけか
病院薬剤師さんだったり、病院の門前薬局での勤務が長い人が多いような気がします。
実際に比べてみた
『内容・実用性』『調べやすさ』『こんな人にオススメ』という3つの視点で
医薬品集を比べてみました。


内容・実用性
内容といっても、『用法・用量』や『禁忌』、『重大な副作用』といった基本的なものは
どの本を開いても記載があります。
それぞれの本に特徴的な部分を挙げるとすると・・・
今日の治療薬
内容は非常にアッサリとしています。
服薬指導の時に『今、〇〇という薬を飲んでいるんです』と言われた時に
どんな(薬効の)薬なのか? 、同種同効薬にはどんなのがあるのか?というのが調べやすくなっています。
1つの医薬品を調べた時に見開き1ページに5〜6品目の類似薬が載っているので
『クレストールはスタチン系の薬か〜、 同じ系統だとリピトール、クレストール、リポバス、ローコールなんかがあるんだな』って調べるのには向いていると思います。

治療薬ハンドブック
情報量や内容は『今日の治療薬』に非常に近いものがあります。
どちらかというと調剤薬局の薬剤師さんが使うと便利だな〜と思う内容が多く記載されています。
粉砕や簡易懸濁の可否や妊婦や小児への処方に関する情報はやくちちも業務をする上で
非常に気になります。


簡易懸濁に関する情報は「内服薬 経管投与ハンドブック 第3版」に基づき記載されています。

また、同一成分のOTCが発売されている品目については
後発品の名称の下のところにOTCも書いてあるのが
面白いと感じました。

(ロキソプロフェンNa錠)
もちろん、調剤薬局以外の人には向いていないか?というとそうではないですが
今まで手に取らなかったのがもったいないな〜と思う1冊でした。

治療薬マニュアル
今回、比較した3冊の中では異質な1冊だと思います。
一言で言えば『圧倒的な情報量』という言葉で言い表される1冊。
他の2冊が1400〜1500ページなのに対して、2400ページ
他の2冊が700gなのに対して1kgを超える重量
それであって、3冊の中では一番紙が薄いんです(触った感じですが・・・)

他の2冊を辞書だとしたら、治療薬マニュアルは広辞苑みたいな印象を受けました。
『副作用』に関する記載も、他は代表的な副作用が書いてあるだけですが
治療薬マニュアルは副作用の横に解説や対処法が書いてあったり、内容が充実した1冊です。


調べやすさ
調べる内容にもよりますが、調べやすさに関しては『今日の治療薬』と『治療薬ハンドブック』が優れていると思います。
『ロキソニン錠』についての記載面積を比べてみると・・・
- 今日の治療薬:58.3㎠
- 治療薬ハンドブック:90㎠
- 治療薬マニュアル:186.5㎠
逆に、ちょっと調べたいな〜という時にはその情報の中から目的のものを探さないといけないのです。
- 今日の治療薬:2mm
- 治療薬ハンドブック:2mm
- 治療薬マニュアル:1.5〜1.6mm
しかも治療薬マニュアルには余白が非常に少ないので、本を開いた瞬間に
黒っ!!!って感じると思います。


こんな人にオススメ
学生さんとか新人の薬剤師さんが選ぶなら、医薬品の横断的な検索が得意な
『今日の治療薬』や『治療薬ハンドブック』がいいのではないでしょうか?
特に、治療薬ハンドブックに載っている「処方Point」「薬剤Point」は覚えておくと
医師の処方意図を理解したり服薬指導に役立つと思います。
調剤薬局で購入するなら『治療薬ハンドブック』がいいな~と思いました。
やはり、実務で役立つ「粉砕」「簡易懸濁」などの記載が助かります。
病院薬剤師さんは何となく、『治療薬マニュアル』かな?と・・・
病院での業務がわからないのですが
患者さんのベッドサイドに1冊持っていくのならば添付文書に近いレベルの記載がある
治療薬マニュアルが安心かな?と思います。
ただ、病棟業務を知らないので・・・スミマセンよくわからないです。
看護師さんなど薬剤師以外の人は『今日の治療薬』が一番シンプルで調べやすそうです。
医師で、『今日の治療指針2018年版』と連携させ薬と疾患をつなげるならば『治療薬マニュアル』の一択です。
両方とも購入すると値段は高いですが、それだけの価値はありそうな気がします。
詳しくは医学書院のウェブサイトで
鈍器として気に入らない上司を殴るなら治療薬マニュアルが1番殺傷力がありそう(笑)
今回紹介した書籍
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