小野薬品の2016年4~9月期の決算が発表になりました。
小野薬品といえば、話題のオプジーボの会社です。
では、早速決算を見てみましょう。
売上収益:1177億円(前年同期比+474億円(+67.5%)) ほぼ倍増です。
ここ数年の小野薬品の年間の売上高を見てみると約1300~1400億円なので、
半年間で1年分近くの売り上げを稼ぎ出したことになります。
内訳をみてみると
オプジーボ:533億円(+503億円(+1714.0%))
グラクティブ錠:148億円(-7.4%)
リカルボン錠:53億円(-0.7%)
イメンドカプセル・プロイメンド点滴:50億円(+4.8%)
リバスタッチパッチ:44億円(+13.3%)
カイプロリス点滴静注用:2億円(8月発売)
オパルモン:88億円(-25.9%)
オノンカプセル:30億円(-25.6%)
フオイパン:20億円(-27%)
となっており、オプジーボが売上収益の約半分を稼ぎ出していることが分かります。
前年比で+1714%というのも通常の薬ではありえない数字になっています。
他の品目は薬価改正に引っ張られる様な形でマイナスになったりしているようです。
オパルモン・オノン・フオイパンの長期収載品は薬価引き下げ&後発への切り替えもあって売り上げのマイナスが大きいですね・・・
本業での儲けを表す営業利益も301億円(+157億円(+109.2%))と大きく伸びていますが
バイオ医薬品ということで普通の薬と比べてオプジーボが売れれば売れるほど製造にも多くのコストがかかるのです。
なので、売上原価も322億円(+137億円(+73.7%))と伸びています。
大きく薬価が引き下げられると、同じ数だけ薬が売れても売り上げ高はその分ダウンします。
ですが、製造にかかる費用や情報提供・収集を行うMR等の給与などは基本的に変わらないので利益は大きく減ります。
相良暁社長も決算会見で「想定外の新薬の登場に現行の国内の薬価制度が合致しなくなっている」との認識を示したようで、想定外の薬に対する薬価は既存の薬価制度をそのまま適応できないということのようです。
キイトルーダ等これからも高額医薬品が発売されると同じような問題が発生しそうです。
小野薬品の株価は決算の数字は織り込み済みのようで、薬価引き下げを見込んでなのか、最近は冴えないですね・・・
↓過去5年の株価