【薬剤師が味見してみた】今日は武田テバファーマのモンテルカスト細粒の味見です。【2017年6月収載】




当ブログで味見に使用している医薬品はメーカーからの製剤見本や自身に処方された又は購入した医薬品を使用しています。

また、医薬品を適正に使用するために医師・薬剤師の指示は必ず守ってください

以上の注意を守らずに使用して、健康に被害が発生した場合は、当ブログは一切責任を負えません。その際、治療が必要となった場合でも使用者の責任となりますので、使用方法には十分にご注意ください。

 

今回はモンテルカスト細粒4mg「武田テバ」の味見です。

何度も言っているけど
モンテルカスト細粒・チュアブル錠はお会計のかからない患者さんに
調剤する事が多いお薬だからお薬の味が採用の大きなポイントになります。

だからこそ、採用に関わる薬剤師さんにはしっかりと「味見」をしてもらいたいんです。

そして、自信を持って「これはお子さんでも美味しく飲めるから採用したんです!オススメです」って答えてほしい。

味見

実際に味見してみてここは面白い点

事前情報とちょっと違う味?

細粒って名前だけど、微粒みたいなかなり細かい粉末で口当たりは優しくて非常に良いです。
MRさんからは「風味はない甘い味です」って聞いていたけど、粉ミルクをとっても美味しくしたような甘さがあります。
最近の抗ヒスタミン剤のような「人工甘味料を使ったさっぱりとした甘さを予想していたんだけど
ちょっと予想とは違う。

間違いなく甘いお薬なんだけど、「無味で甘い」ってのとはちょっと違うような気がする
とっても「懐かしい」というか「不思議な甘い味」です。
後味は甘い感じが残るのでお子さんは好きかも?

添加物(添付文書より)

不思議な甘さが気になったので添付文書の添加物を調べてみました。
添付文書に記載されている添加物は以下の通り

  • アルファー化デンプン
  • 塩化ナトリウム
  • ステアリン酸マグネシウム
  • ヒドロキシプロピルセルロース
  • D-マンニトール

甘さに関係しているのはアルファー化デンプンとD-マンニトールなんだけど、他にも入っていそうな甘さ。
特に、このモンテルカストに特異的に含まれる添加物はみる限りなし。
香料も含まれていない・・・かなり謎です。
アルファー化デンプンなのかな?
(今度テバのMRさんが来たら確認してみます)

味としては美味しいですよ

残念な点

味は美味しいんだけど手放しで褒めて採用ってことはありません。
残念な点をみていきましょう!

スティックタイプじゃない(患者さんからみて残念?)

(先発品)

スティックタイプの先発品に対して、武田テバのものは通常の粉の袋

(武田テバ)

「スプーンに取り出したり」、「お子さんの口に直接注いだり」といった
取り扱いに関しては口の部分が細い「スティックタイプ」の方が扱いやすいと思う
ここが武田テバファーマは残念。

スティックタイプの開封口(モンテルカスト細粒「タカタ」)

モンテルカスト細粒「武田テバ」の開封口

他のお薬と違ってモンテルカスト細粒は「1回に1包服用」でそれ以上でもそれ以下にもならないお薬。
再分包もしないから、間違いなくこのパッケージを家族がお子さんに飲ませる訳です。
だからこそ、モンテルカスト細粒は「扱いやすい包装」ってのを意識してほしい

実際に服用する患者さんやその家族のことを考えて
お薬のパッケージ等を作っているメーカーをできるだけ採用したいと常に思っています。

包装単位が残念(薬局からみて残念)

薬局から見ても残念な点があります。

包装が0.5g×60包しかない。

先発品は小さい包装からそろっています。
シングレア細粒:14包、140包
キプレス細粒:28包、100包、140包

処方するDrの好みにもよるけれど、うちの近所の先生は14の倍数で処方されることが多いので、60包って正直微妙。
何より大きい包装だと購入金額が増えるから嫌なんですよね~

「在庫を出来るだけ少なく!」っていうのは大小どんな薬局でも常に言われることだと思います。

処方頻度の低い医薬品は小さい包装で購入して
できるだけ必要以上の在庫を抱えないことが大切です
その視点が武田テバファーマにはちょっと弱い!

「必要なものを必要最低限購入する」ってのはどんな商売でも基本中の基本
京セラの創業者でもある稲盛和夫氏の著書「稲盛和夫の実学ー経営と会計」の中にも登場する話です。
良書なのでやくちちさんも何度も読んでいます。
読んだことない人は是非読んでみてね。
Amazonで566円で買えるからオススメです。

安定供給が不安

武田テバ(テバ製薬)って供給に不安がある。多くの薬剤師さんが思っているのではないでしょうか?
うちの担当MRさんはいい人だし、ジェネリックメーカーの中で一二を争うくらい訪問してくれる

ただ、流通に関しては不安

サクシゾンの自主回収
シプロフロキシン点滴静注液の自主回収
時々発生する「バルクが飛んで出荷調整・割り当て出荷」
定期的に製造中止品目が大量発生

どうしても色々な会社を吸収して大きくなった会社なので
1成分に対して複数の商品(屋号)を持っていたりして
一本化のための製造中止は企業としてやむを得ない部分なんだろうけど
現場としてはやっぱり製造中止が相次ぐメーカーに不安は感じます

いつもブログを中心に有益な情報を提供してくれる「けいしゅけのブログ薬局情報館」でも
武田テバの安定供給について疑問を呈しているのでよかったら見てね。

テバ製薬から武田の冠がついたら改善するかな?って思っていたんだけど今のところその兆しはなし。

まとめ

味に関してはちょっと面白いけど甘くて美味しいと思う
口当たりも非常になめらかで飲みやすいと思います。
ただ、メーカーの姿勢として調剤薬局や患者さんの求めるものを提供しているのか?っていうと正直、疑問符がつきます。
採用までもう一歩努力せよ!!

※どうでもいいメーカーは味見しても記事にしませんからね~
テバさんには厳しいこと書くけど頑張ってほしいという叱咤激励だと思ってください。

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味見ページのまとめ

味見のまとめページを作ってみたのでよかったら見てね~

味見

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ABOUTこの記事をかいた人

薬局に勤める平凡な薬剤師です。 大学を卒業してから14年間、町の調剤薬局で日々患者さんと触れ合ってきました。 コミュニケーションがうまく取れず怒られることも多かったですが、 最近では「感じがいいからこっちに来た」という有り難いお言葉を頂くまでに成長。 日々、地域の方の健康のお助けをしています。 そして4歳と2歳の父でもあります。