調剤医療費を押し上げているのは何か?




当ブログで味見に使用している医薬品はメーカーからの製剤見本や自身に処方された又は購入した医薬品を使用しています。

また、医薬品を適正に使用するために医師・薬剤師の指示は必ず守ってください

以上の注意を守らずに使用して、健康に被害が発生した場合は、当ブログは一切責任を負えません。その際、治療が必要となった場合でも使用者の責任となりますので、使用方法には十分にご注意ください。

 

調剤医療費を押し上げているのは何だろう???

中医協でも、「調剤の伸び」って言われているけど、実際はどうなんだろう???

(2月8日の中医協資料より)

確かに「その他の要因」ってので調剤は大きくプラス(プラス2.5兆円)になっているのは
グラフをみても分かります。

厚生労働省が調剤医療費の動向というものを発表しているのを知っていますか?

厚生労働省では、毎年、調剤医療費の動向及び薬剤の使用状況等を把握するために、
電算処理分のレセプトを集計し、「調剤医療費(電算処理分)の動向」として公表しています。
(調剤医療費の動向)

「調剤医療費が伸びている!」って言われているけど本当なのかな?
ってことで資料を見てみようと思います。

興味のある方はコチラ→調剤医療費の動向調査:集計結果

最新の年間の動向は
平成 27 年度 調剤医療費(電算処理分)の動向」です。

中医協の資料では平成16年と平成26年を比べていましたが
調剤医療費の動向では平成21年から27年度でみています

では、実際の数字をみてみましょう

1.調剤医療費の全数と電算処理分の比較

数字が沢山並んでいるけれど、赤線で囲んだ部分を見てみると
年度が進むごとに調剤医療費が増えています

確かに調剤医療費が増えている(全数で見ると前年比+9.4%の7.8兆円)のはわかる
でも実際に調剤のどの部分がが増えているのか?
その内訳をみてみましょう。

2.調剤医療費の内訳

調剤医療費を大きく分けると

  1. 技術料(調剤技術料:調剤基本料・調剤料・加算料と薬学管理料)
  2. 薬剤料(内服・注射・外用)
  3. 特定保健医療材料料

に分けられます。
※ただし、3.特定保健医療材料料は他の2つと比べると非常に小さいので技術料と薬剤料を中心に見てみます以下の表の赤枠

技術料・薬剤料の両方とも増えているから分かりにくいですよね~

ということでエクセルに数字を入力してグラフにしてみました。

調剤医療費と薬剤料が平行です。
薬剤料が調剤医療費を押し上げている
と思いませんか?
確かに、技術料も増えているものの、薬剤料の増加に比べると少ない伸びになっています。

では、どんな薬剤料が増えているのか?気になりますよね?

 6-1.薬効分類別の状況(1)

こちらのデータは平成25年度~27年度のデータです

 
  • その他の抗腫瘍薬:1679億円→1948億円→2332億円
  • 抗ウイルス剤(ハーボニーが貢献?):785億円→1185億円→4139億円

と、この2つの伸びが気になります

調剤医療費の伸びは薬の影響が多いのでは?

金額で言えば循環器の薬や中枢神経系の薬の金額が高くなります。

ただ、伸びの原因としては以下の2つは大きく影響していると思います。

  • ハーボニーのような高い薬が発売になった
  • 以前は院外調剤されていた抗がん剤などが院外処方に切り替わった

このような要因で薬剤料が調剤医療費を押し上げているのではないでしょうか?

少なくとも、私の給料はここ数年全く上がってないです・・・(涙)

面白かったらシェアしてね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

薬局に勤める平凡な薬剤師です。 大学を卒業してから14年間、町の調剤薬局で日々患者さんと触れ合ってきました。 コミュニケーションがうまく取れず怒られることも多かったですが、 最近では「感じがいいからこっちに来た」という有り難いお言葉を頂くまでに成長。 日々、地域の方の健康のお助けをしています。 そして4歳と2歳の父でもあります。