「昭和の香りがする」と某MSさんに言わせた一品のロコアテープ
開封してみると「あぁ~~懐かしい湿布の匂いだ~」って言いたくなる匂い。
その理由はハッカ油が含まれているんです。しかも、有効成分として!
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添加物ではなく有効成分としてハッカ油が含まれる
添加物ではなく有効成分としてハッカ油が含まれる
ここ、ロコアテープのポイントです。
調べてみると・・・
薬剤師Mのホンネ日記様にハッカ油が含まれる理由など詳しく書いてありました。
ハッカ油を多く含むことで、成分のエスフルルブプロフェンの経皮吸収性と標的部位である
深部組織への移行性を向上させているそうです。
フルルビプロフェンパップ40mg(ステイバンパップ)と比べると差が歴然!
湿布なのに1日の上限枚数等が添付文書で決まっている
吸収性を向上させた結果、湿布なのに内服のように血中濃度が上昇するそうで
パッケージにも書かれているように1日最大2枚までしか使用できません。
添付文書の用法・用量も『1日1回、患部に貼付する。同時に2枚を超えて貼付しないこと。』
と記載されていたり
用法用量に関連する使用上の注意にも
本剤2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は2枚を超えないこと。
本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、
やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。
と記載されています。
ロコアと他の内用剤(ロキソニンやセレコックス)を併用したら場合によっては査定を受けるってことなのかな???
メーカーとしても「併用は出来るだけ控えていただきたい」とMRさん言っていました。
12月から長期処方が可能になり、今後使用が増えるとそういった情報も集まってくるのではないでしょうか。
効果はあるんだろうけど、併用の縛りがあって若干使いにくいのかな?という印象を受ける医師が多いようです。
血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータ(ロコアとモーラス)
(インタビューフォームより )
そんなに血中濃度が上がるのかな?ということで、インタビューフォームより
ロコアテープとモーラステープ20mgの単回投与のグラフを抜粋
比較としてモーラステープ20mgのデータ
成分が違うので何とも言えませんが、グラフの形はおおむね同じような感じ。
Cmaxの値がロコア(40mg)が751±360ng/mL、モーラス(20mg)が135.85±18.02ng/mL
モーラスが小さい20mgという事を考慮しても血中濃度はロコアの方が高いよね~って感じでしょうか。
(分子量はどちらも250程度)
ロコアテープの名称の由来は?
インタビューフォームを読んでいたら名称の由来が載っていたので紹介
OA(変形性関節症)患者さんのQOLを向上させたいという願いを込め、
QOLとOAを組み合わせたアナグラムとしてLOQOAと命名した。
と記載されています。
※インタビューフォームの命名の由来を見るのがちょっと楽しいです。
患者さん向け指導箋はこんな感じ
東京都では膝と腰でしか保険で使えないのに1枚目のように指導箋には肩の貼り方ってのがのっている若干残念な仕様です。
長期処方が可能になっても実際には処方があまり出ない・・・
帝人ファーマはボナロンやフェブリクなどで整形領域にも強い会社ですが
他剤との併用の問題もあってなのか? あまり処方は進んでないようです。
効能効果も変形性関節症における鎮痛・消炎のみです。
若い方の傾向として臭いが強い湿布が敬遠されることも多いのでその辺も難しいのかな?という印象。
まぁ、昔ながらの匂いがあるほうがいいっていう患者さん(お年寄りに多い)もいますが・・・
ぼちぼち処方が出ているって感じですね。
実際に貼ってみた感想(平成29年2月23日追記)
ぎっくり腰になってしまい製剤見本で貰ったロコアテープを実際に腰に貼って半日ほど過ごしてみました。
貼って30分ぐらいすると、お薬が体内に浸透してくる感じがありました。
「この湿布効いてるかも!?」って思える瞬間です。
臭いは確かに気になります。
昔ながらの湿布を貼っているって思われるぐらいハッカの臭いがします。
そして、一番気になったのは、剥がした後に湿布の粘着成分(糊)が皮膚に残るということです。
全く同じ話が患者さんからもあって、その方はローションに変更になりましたが
実際に使ってみて、湿布の外周に黒く糊が残った感じになります。
お風呂でシャワーのお湯をかけながら剥がせば気にならないのかもしれません
効果は認めるものの製剤として改良してほしいなと思った一件でした。